niime 百科
Encyclopedia of niime
niimeゆく年くる年 2021-2022
<ゆく年編>
niime: A Year End and A New Beginning 2021-2022
<A Year End Version>
<ゆく年編>
<A Year End Version>
2021 . 12 . 31
—— すっかり年末年始の恒例企画となりました、「niimeゆく年くる年」。今回は「ゆく年 編」。2021年の振り返りをお願いします。ほんと今年も色んなことがありましたね。
玉木「ありましたねェ…。」
—— まずはなんと言っても、「tamaki niime TOKYO MACHIDA」!町田店オープン、東京におけるtamaki niimeの拠点誕生の話から行きましょうか。
玉木「ありました!もう7月、コロナ禍の中でしたけど、オープンしましたよ。良かったよね、オープンしてね。」
酒井「うん。」
—— 私も秋にお邪魔させていただき、印象的だったのがまず、居心地の良さ、ですね。もともとが住居空間だったということもあるのでしょうが、スタッフの方々が温かく迎えてくださってすごくくつろいだ気持ちでひとときを過ごせました。時間の経つのを忘れるという。
玉木「あの空間、良いよねぇ。しかもなんか不思議でしょ?洞窟の中みたいな。」
—— 作品を観て回りながら地下の部屋へと、“探検”みたいな気分も味わえるという。写真の場合だと壁の質感だったり建物の空気感が…
玉木「わかんないよねぇ!写真とはまた違うでしょ?あの質感は、ぜひぜひ実際に。」
—— 体験してみないとわからない、そう玉木さんがおっしゃっていたのが腑に落ちました。
玉木「2022年はもっと町田と西脇をつなげたい。町田店をオープンしたのは、関東にお住まいの方や海外からのお客様に来ていただきたい、というのはもちろんだけど、ウチのスタッフにとっても、西脇に引っ込んでるんじゃなくて、東京に行ってクリエイターとして刺激をもらって帰ってこい、ってことを常々言ってるから。実際にモノづくりをしてるLabの人たちが定期的に東京・町田に行くという習慣をつけて、お客様ともふれあいながら東京の空気感も感じて、また西脇に帰ってクリエーションをするっていう流れを、スタッフ皆んなに対して創っていきたい。」
—— スタッフの皆さんのクリエーションに還元されるという…良い循環。素晴らしいですね。前々回の「niime百科」で鹿嶽さんも町田出張を活き活きと語っておられました。
玉木「実際に自分たちがやってきたことが報われるっていうのかな。その場でお客様に喜んでいただけている“リアル”を感じられると、やっぱり全然違うし、もっとこうした方がいいな、とか、そこで生まれる新たな気づきもあるんですよ。フィードバックが与えられる、そんな場所としても、もっと活用して行きたいな、と思っています。」
—— 作品のディスプレイだったり、魅せ方についてはどうですか?
玉木「ディスプレイ含めてこれから色々と変えていきたいしね。チームごとに町田に行くのも良いかなと思ったり。例えば、「編みチーム」が自分たちの作品をたくさん車に積み込んで町田まで行って、ニットをオモシロく飾る!ってところまで自分たちでクリエーションしたら、毎回変化があるじゃない?」
—— それはすごく面白そうですね。
玉木「自分たちが創った売りたいモノを自分たち自身が飾って自分たちで語る、全部自分たちでやってこい、って“丸投げ”の方が、自分たちで考えるでしょう?ああしろこうしろと指示するんじゃ面白くないからね。自分たちで、ああしようこうしようをたくさんやってみる、日々の積み重ねが大事だから。それが出来る“実験の場”として町田はすごく良いと思う。」
—— なるほどですね。tamaki niimeとしての新たな実験ということで言うと、生地の「ハギレ」を町田店に置く取り組みも始まりました。
玉木「私たちもまだ答えは出せてないし、何が正解かはわからないけど、裁断した後に出る不要な生地がどれだけのゴミになってるかとか、皆さんに考えていただくきっかけになれば。私たちは現場にいるからこそ、そのことをちゃんと伝える使命もあると思うし。もちろんデザイナーにはハギレがより少なくなるようなデザインを考えてほしいとも思うし、出てしまうハギレを活かしてまた新しいモノを生み出すとか…何か、そういう知恵が出て来るようになれば、と思うんだけど。」
—— はい。
玉木「着物というのは、四角の反物を100%使い切って出来る服にしてゴミを出さないように考えられているところでは、そもそも昔の日本人って完璧なんですよね。それが洋服になって無駄な部分が出てきたという歴史なんですけど。」
—— 捨てられる生地、その価値を転換する取り組みであるところがすごいなと思うんです。 値段付けをお客様に委ねて、どんな風に使うかも自由に考えてみてください、という。
玉木「ハギレに500円の値段を付けるか1000円か、価値が0円となればゴミになっちゃうわけですけど…ある種すごい挑戦だと思う。やっぱり、そこは人それぞれに個人差があって面白いんですよ。」
—— ひとつのハギレから、それを使ったクリエーション、さらには現代の資本主義への問いかけをも含んでいるという気がします。
玉木「含んでるよね。町田で実験的に始めたことが、今度西脇の嶋地区にできる新店舗では布をたくさん取り扱ってほしいという声もあるから、そこでもようやくスタートを切れるかなと思ってます。」
—— tamaki niimeによるセレクトショップ「tamazon」もスタートしました。顔の見えない巨大なネット通販プラットフォームとは異なって、玉木さん自身が好む良品、これ推しだよ、という血の通ったオンラインショップという印象を持ったんですけども。
玉木「オススメです!オンラインでは「tamazon」なかなか良い感じだから、それのリアル版がほしい、ということで、「嶋」でやります。」
—— すごく玉木さんらしいですね。
玉木「そこを掘り下げるとね、アレだよ、食糧危機とかの問題でもさ。…ありうるでしょ?」
—— ええ。…災害もそうですね。
玉木「備蓄しとかなきゃいけないでしょ、水とか色んなモノを。だから、物販するってことは備蓄することでもあるんですよ。ストックしといて販売する。どうせ備蓄するなら、良いモノをちゃんと備蓄しときたいでしょ?」
—— いざという時に備えて。
玉木「個人的に備蓄するよりも、この会社としてちゃんとストックしておけば。自分たちでも、いざって時のために、もちろん自分たちの食糧もそうだし、周りの人たちに対しても、皆んなで食べるために米も作るし、野菜も作るようにしてるんだけど、いりこだったりお茶だったり、そうゆうモノも、ほんとちゃんと備蓄しとかなきゃいけないから。」
—— …在庫じゃなくて備蓄だったんですね。
玉木「そうなの!」
—— …すごいですね…その発想が。
玉木「非常時用の備蓄庫=「tamazon」。だから、自分が蓄えておきたいモノをどんどん増やしますよ。」
—— 用意周到というか…スゴイです、やっぱり。
玉木「「いどばたまき」のお話し会にも来てくれた藤原ひろのぶさんの上手な言葉を私たちも使わせてもらってるんだけど、『買いものは投票なんだ』!と。」
—— ええ。「tamazon」で扱っている藤原さんの本のタイトルでもありますね。
玉木「何を自分たちが食べるか?食べるもので私たちの身体は出来ているわけだから、良いものを摂るによって自分のクオリティを上げなきゃって気づけたから。食を改善することでほんと体調も良くなった。その辺を考えると、やっぱり備蓄するものもちゃんとしたものを確保しといたら安心だし、しかもそれが買いものという、生産者の皆さんへの「投票」にもなるから一石二鳥じゃない?」
—— なるほどですね。では、いまお話に出た「いどばたまき」について。これも今年始まった、様々なゲストを招いてのお話し会で、藤原ひろのぶさんのオリナスホールでの講演からスタートしたわけですね。
玉木「オリナスホール、せっかく出来たのにコロナ禍であまり稼働してないようでもったいないから、逆にこんな時だからこそ使おうと催したのが「いどばたまき」の最初。広大な駐車場があるし、音響設備もむっちゃ良いし。あの日良かったのは、午後からは藤原さんのお話し会だったんだけど、午前中をウチのチームごとの発表会にしたのよ。」
—— オリナスホールの場を借りてですか?
玉木「うん。マイクもステージもあるから、好きなことしていいから、5分から10分くらいでチーム発表会をしろって。皆んな、ありとあらゆることしたよ。ピアノの演奏もあれば踊り始める人もいたり。プレゼンテーションするチームもあれば、撮影した動画をみせるチームもいて。」
—— ふぅん、、。午前中のオリナスホールではそんなことが繰り広げられてたんですね。
玉木「そう(笑)。すごくオリジナリティ、チームカラーが出てて。チームでひとつ何かやるってとても大事じゃない?それでチーム力もすごく上がっていったから、それもよかったなと。」
—— その後「いどばたまき」はオリナスホールやShop&Labを会場に定期的に開催されてますが、ゲストの人選やテーマなど「niime村構想」にもリンクする催しですね。
玉木「私がお話しを聴きたい人を呼んでる感じ。」
—— tamaki niimeのモノづくりは力織機を玉木さんが自ら操り、すべてが一点モノであるショールを開発した時点で既に「SDGs」にも則った取り組みを内包していたわけですよね。そこから始まって地球環境を考えたり、農業であったりとか、「niime村構想」とも密接につながっていきますよね。その辺の文脈っていうのを伝える場としてすごい…
玉木「つなぎ役になったね。」
—— なってますよね。tamaki niimeというブランドの取り組みと親和性の高い人たちが登場しそれぞれの取り組みを語ってもらうことで、その文脈が腑に落ちる人たちを増やしている。
玉木「やっぱり、私自身が上に登らなきゃと学びたいから、学びに出かけて行くことはよくするんですけど、私だけがわかってても意味がないから、スタッフと共有したいなぁというのでこっちに来てもらおうというところから始まっているんですけどね。映画の上映会も良かった。」
—— 『ビッグ・リトル・ファーム』ですね。
玉木「映画も「実るチーム」の柳君が持ち込んだものだし、私自身は企画には入ってないけど、せっかくの機会なんだから、自分たちで作った米を振る舞わないと、とか、自然の中で外で火を焚いてやるべきでしょ、とか、ほんと手づくりの、良いシアター空間になってたというか。」
—— Labの建物の壁面を使った巨大スクリーンで。
玉木「ね。「西脇シネマパラダイス(※)」の上映会に行くと映画のあとで皆んなでお話しするじゃないですか。あれが良いなと思ってそのアイデアをいただいて、感想を語り 合ったんだけど、その場でtamaki niimeについて語ってくれる人もけっこういて。スタッフにしてみたらまた違うカタチでお客様の声を聴ける良い機会になって。すごく良い話が聴けたから、スタッフにしてもお客様とのつながりという点でもこの会意味があったよね、と。2022年も頑張って続けます。」
※料理旅館、小学校の教室、旧市民会館、キャンプ場…等々、西脇市と多可町のあちこちを会場に場所に応じたオススメ映画作品の上映会を企画し催す地元の映画好き有志の集まり。上映後に参加者が感想を自由に語り合う場を設けている。
—— 「実るチーム」について続けますと、大濱さんがご自身のルーツである沖縄・西表島へ飛んで取り組んでいるきれいな海水から採った塩やサトウキビから作る黒糖のプロジェクトもありますね。
玉木「「たましお」。「tamazon」でのお取り扱いが決まったんだけど、さらに取り組みを尖らせていくなら、新月の時の塩とか。オーガニックのサトウキビで作った黒糖だとか、さらにこだわって追求していきたいんですけど…」
—— こだわり始めると、昔の日本のように旧暦に沿った農業をやるとか…
玉木「そうそう!ほんとそうだと思う。」
—— 塩であるとか、砂糖であるとか、生きてゆく上でのベーシックな…
玉木「根源的な。そういう意味では、米。大豆・味噌…」
—— 醤油であるとか。
玉木「それを自前でつくる、というところでは、備蓄の一環でもある。しっかりやっていきたいなと思ってます。」
—— なんというか、暮らしの主導権を自分たちの手に戻す、的な印象を受けます。
玉木「それぞれをバラバラにじゃなく、つなげたい。やっぱり、単に買って消費して終わりってことだと、なぜそれが良いのか?おいしいのか?、それがホンモノかどうかも含めてわからないから。」
—— う~ん…。
玉木「だからまず“体感”したい。意外とけっこうみんなつながってるのに、分断して売られているのが現状で。100%ぜんぶ自前のモノに取り替えたいってわけじゃなくて、コットン栽培やり始めた時と一緒で、まず知りたい。知った上で選びたい。私たちがこう使うという選択肢を得る意味でも、やったことがないことにはどんどんと挑戦していって、最終的に外でお願いできることはお願いするけれども、オリジナリティのあるモノをちゃんと創っていきたいなぁと思ってる。」
—— Shop&Labのバックヤードに「niime庭」も姿を現しましたね。「大地の再生」さんとまた組んだ植栽もして。
玉木「そうだね。更に更に。」
—— あの芝の柔らかさには驚きましたね。
玉木「ほんと!?」
—— 踏みしめた時にすごい弾力性があって。ビックリしました。
玉木「気持ち良いよ。裸足で過ごしていただいたら最高よ。」
—— どうやったらあんな風に柔らかくなるのかなって。
玉木「やっぱりね、下に空気を通すんだって。場所全体の仕掛けというか、土の中に空気を通すことで、ふかふか柔らかくなるんだってさ。」
—— なるほど。すごく良い広場が…
玉木「出来たね!」
—— まだあれ、造園途上ですか?
玉木「まだまだ途上だよ。」
—— 玉木さんのことだからどんどん変化してゆくでしょうけど。
玉木「そうだね。2022年は牛と馬も飼いたいから。牛と馬の小屋が後ろに併設された私のおうちが出来るんじゃない?」
—— …来ましたね…いよいよ。
玉木「もう「有言実行」しかないと思うから、思いついたらすぐ言っちゃおうと。「牛と馬」って。皆んなからは反対されてるけど(笑)。で、加古川の河川敷を馬に乗って走る のが今の夢なの。自転車と同じ扱いらしいから、馬に乗って例えば市役所へも行けるの よ。知ってた?」
—— 交通法規的に??…大丈夫なんですね、そうなんですね!
玉木「だって道って、車社会になる前は、馬のためにあったんだから。」
—— いよいよ宮崎さんのイメージ通り、玉木さんがフレアスカートを身につけて馬に乗って (笑)。
玉木「「de ふれ」をはいて、颯爽とデビューしますよ。」
—— その絵がLINEで上がる日を愉しみに待ちます。「de ふれ」作品のインパクトあるプロモーションになるだけでなく、「niime村構想」にもつながるtamaki niimeとしての在り方の、憧れを生むような、わかりやすい提示にもなるのではないでしょうかね。
玉木「勝手に目論んで妄想だけは毎日夢にまで出てきてる(笑)。」
—— いやぁ~ほんと色々と…
玉木「こうして挙げていくとけっこう色々とあるね。」
—— そうですよね。やっぱり、色々な取り組みぜんぶがまる~く、つながってるのを実感します。作品に関しても、「変態モノづくり集団」として色んなチームのモノづくりがつながっていって、Online Shopでのラインナップもそうですけど、LINE観ててもほんと毎日のように作品が溢れ出てくる、というか。LINE配信の充実ぶりにも加速度がついてる感がありますね。
玉木「まだまだですけどね。でもほんとスタッフ皆んなのクオリティが上がってくれてよかったなと思ってる。インスタの発信にしても、動画の質自体もそうですけど、モデルとして登場するスタッフも写真の撮り方も。色んな先生に来ていただいて学んだり、ちょっとずつ色んな種まきをしてきたことで経験を積んで、一年振り返ると、おお~、成長したな、良くなってるなというのは実感として嬉しいですね。」
—— 魅せ方だったりも作品のクオリティに合わせて…
玉木「つながって。そこは強く感じる。…「てんてん」を始めたんですよ、今年。車で転々と行くやつ。」
—— tamaki niimeの作品を車にたくさん積み込んで、あちこちのお取引き先のお店に出向いて展開する催しですね。そこを訊いてませんでしたね。
玉木「結果的にスタッフにとってはとっても良い効果があった。」
—— そうなんですね。
玉木「卸し先さんにお邪魔して、お客様ともつながれるけど、販売してくださる方ともつながったことで、創り手としてのアウトプットをする機会がやっとできたんですよね…。 卸し先さんから色んなお話を聴く機会もあるし、Labのスタッフとして紹介して下さるもんだから、自分たちが創ったモノが素敵に紹介されるのを目の当たりに出来る機会にもなることで、もっと頑張らなきゃってモチベーションも上がるし、嬉しいとか感謝があって。」
—— はい。
玉木「だからこそ人としての成長にもつながるし、これまで創り手としての想いが一方通行だったのが、実際に販売の現場にいて体感することで、もしかしたら厳しいご意見も頂いてるかもしれないけど、それも含めて体験出来ることで、やっぱり私も最初そうだったように、創るから売るまでを自分が一通り経験する機会が持てるっていうのは、Labのスタッフのレベルがグッと上がった。」
—— なるほどですね。
玉木「それをちゃんと出来てなかったなっていう反省もあった。分業にしたから創ると売るがつながらない、どうやったらつなげられるんだろう?ってずっと考えてたんだけど、なんだかんだって皆んな忙しいからと行かせてなかったのが駄目だったんだなって。」
—— 百貨店での販売にはまた違う良さがあると思うんですけど、卸し先さんのお店だとよりパーソナルというか、親密なやりとりが可能ということなんでしょうね。
玉木「個人事業主であり、販売のプロって人たちと、直に接することが出来るっていうのが若いスタッフ個々として得難いことで、すごく応援してくださる方も多くて、至らないところはもっとこうした方がいいというのをリアルで言ってくださるから。ほんとに皆さんが育ててくださったからこの一年、皆んなの実力はグンと上がったと思う。だから2022年も愉しみです。」
—— スタッフがLabの現場から外の販売の現場へ出向いてゆくっていうのはほんと良かったですね。
玉木「よかった!コロナもきっかけだし町田店ができたこととか相乗効果で…良かった。」
—— それでまたLabのモノづくりの現場に戻ってくるという。
玉木「戻ってきてまた頑張って創ろうってなれるから…モノづくりにも良い循環が生まれたなって思っています。…(酒井に向かって)はい、最後締めて!」
酒井「僕の2021年、結論だけ言いますけど…」
—— はい。
酒井「人が前に進もうとか成長しようという時には、その人自身に反省があって、その上で感謝がないと、何もなし得ないなと。…っていうのはつくづく思いました。」
玉木「感謝が大事って話をしてんねんな、最近。」
酒井「反省と感謝。これ、めっちゃ大事。」
玉木「それで人は変わるんですよね。」
酒井「うん。絶対に変わる。しっかりと出来ればな。」
玉木「結局私たちも個人指導というかスタッフから色々話を聴くじゃないですか。グンと伸びる人と変わらない人と、何が違うんだろうと考えたんだけど、これじゃないかと。感謝。」
酒井「と反省な。」
玉木「何度言っても同じミスをする人と、一回言われたら二度とせずにどんどん伸びる人と。後者は何かまたミスは起こしても、それはまた違う段階でのミスであって。」
—— 素直に苦言を受け止めることが感謝につながる…ということでしょうか。
玉木「そこなんですよ。」
酒井「自分は自分と、頑なにバリアみたいなものを張ってると…」
玉木「何も入っていかないよね。」
酒井「そうなると反省と感謝が出来なくなる気がするな。」
玉木「その辺がもったいないな、ってことがあるんですよね。」
—— …素直さというところでしょうかね。
玉木「うん。そこが人の成長には大事だなぁって。」
—— はい。どうもありがとうございます。「ゆく年」2021年のtamaki niimeのアレコレをたっぷりとお聴き出来ました。そして明けて「くる年」2022年は、いよいよ新店舗誕生、西脇 2拠点での展開が待っていますね。
玉木「そうですよ。どうなるんだか(笑)。頑張ります!!」
〈新年元旦「くる年編」に続く〉
本年も「niime百科」をお読み下さり、どうもありがとうございました。皆さまどうぞ良いお年をお迎えください!
書き人越川誠司
—— ‘niime: An Year End and A New Beginning’ looks to become their annual event in the new holiday season. Today, we are looking at ‘A Year End Version’. Would you look back to see the year 2021? So many things happened that year.
- Tamaki
- Yes, indeed….
—— First and foremost, you opened the ‘tamaki niime TOKYO MACHIDA’ store! Shall we start talking about the Machida store opening, created as the new ‘tamaki niime’ HQ in Tokyo?
- Tamaki
- We sure did! In July, we opened even during the pandemic. We are so happy we made it.
- Sakai
- Yeah.
—— I could visit there in Fall, and I felt very comfortable there, which is my first impression. I guess it’s because the building was originally a residence, and your staff welcomed me to spend time in comfort. I lost track of time there.
- Tamaki
- That building space is great, right? And it has a mystery to it, don’t you think? We feel like we are in a cave.
—— Looking around at the products and going to the basement, we feel like exploring. We can’t feel the sense of the walls or atmosphere of the building just by looking at the pictures.
- Tamaki
- No, you can’t. It is totally different from looking at pictures. I really want you to feel those sensations in person.
—— Ms Tamaki said, “You don’t know until you have experienced it”. Now it really made sense.
- Tamaki
- In 2022, I want to connect with Machida and Nishiwaki more. We opened the store because we want people living in the Kanto district or foreign countries to visit us. Also, I always tell our staff to get out of Nishiwaki, not stay home all the time and get stimulated as creators in Tokyo. So I want to make a cycle of movement for all the staff that the manufacturing staff start a habit of going to Machida in Tokyo at regular intervals and interacting with customers, feeling the sense of Tokyo and coming back to Nishiwaki to make creations again.
—— That’s a wonderful idea that the cycle of movement influences comes back to all of your staff’s creations. For example, before the last interview of the ‘Encyclopedia of niime’, Ms Katake was excitedly talking about the experience at the Machida store.
- Tamaki
- We feel like what we have done will pay off there. When we know that people are pleased with our products, we are motivated and aware of new things. Moreover, we want to use the Machida store for feedback.
—— How about showing off the attractiveness of the products and displays?
- Tamaki
- Speaking of displays, we want to make changes here and there. I think it would be a good idea to visit the Machida shop regularly. For example, if the knit team goes to Machida with as many products in a car as they can carry with them and create interesting decorations, I think something would change every time they go.
—— That would be very interesting.
- Tamaki
- Our staff made and sold the products, decorated, and discussed them. It would be better to throw everything at them because they think independently. It won’t be fun if I tell them to do this or not to do that. Since having daily experiences is essential, they can try doing this many times. I think Machida is an excellent place to have all the experiments to do that.
—— I see. Talking about ‘tamaki niime’ experiments, you have started offering ‘scrap cloth’ at the Machida store.
- Tamaki
- We haven’t got any answers yet and don’t know the correct answer, but we hope this is a chance to make people think about how much fabric is leftover afterwards. Because we work at the site, we believe we have a responsibility to explain and want designers to make designs producing fewer scraps. Or create new products using fabric scraps…and gain some wisdom.
—— I see.
- Tamaki
- Speaking of kimonos, they are made using 100% of the square fabric without any scraps. Originally, previous generations did it perfectly. However, as we moved to make western clothes, we created more leftover materials.
—— I think it is great to think about the value of thrown-away-fabrics and your efforts of retrieving them, that you ask customers for prices and make them feel how to use them.
- Tamaki
- If you price it at 500 yen or 1000 yen, but if you make it zero, that means it’s just trash. I think this may be a significant challenge. It’s interesting to see each one’s differences.
—— One piece of scrap cloth can make you start creating, which may include a question of modern capitalism.
- Tamaki
- It may. Soon, our new shop in the Shima district of Nishiwaki can finally open in response to our experiment at the Machida store, and they would like to sell many fabrics.
—— ‘tamazon’, a select item shop from ‘tamaki niime’, has launched. I have the impression that it’s a compassionate online store recommending Ms Tamaki’s favourite items. I think it’s different from a massive online shopping platform, where you cannot see people’s faces.
- Tamaki
- I recommend them! ‘tamazon’ got good reviews online, and we want to do the same thing, in reality, so we do it at the Shima store.
—— It’s very typical of you, Ms Tamaki.
- Tamaki
- If you dig down, you know, we can help with food supplies!
—— That’s right. We can also make allowances for natural disasters.
- Tamaki
- We should have emergency water stocks or many kinds of things. So, selling them means also storing them. We reserve them and sell them. If you have to keep them, you would like to store good quality ones, right?
—— To prepare for an emergency.
- Tamaki
- Rather than storing them personally, we can hold them as a company. Of course, we do it for ourselves for an emergency, but the people around us make rice and vegetables for others, or dried fish and tea. So we really have to store them.
—— ⋯It doesn’t mean just hoarding, but it’s more for emergency storage.
- Tamaki
- That’s right!
—— Your idea is fantastic.
- Tamaki
- ‘Emergency storage’ = ‘tamazon’. So I will increase adding things I want to store.
—— You are thoroughly prepared…wow, that’s great of you.
- Tamaki
- We are using the charming quote of Mr Hironobu Fujiwara, who came for ‘Idoba tamaki’, a chatting event. What he says is, “shopping is voting!”
—— I know. This is also the title of his book, which is sold on ‘tamazon’.
- Tamaki
- What do we eat? Since our body is created from what we eat, I realised that I could improve my quality by eating good foods. Improving what I ate, I felt much better. Considering that, we feel safer to keep good quality emergency stocks, and they can be good consumer shopping items that are “good voters” for producers. Don’t you think it is ‘killing two birds with one stone’?
—— I see. Well, I want to talk about ‘Idobatamaki’. (*Idoba means the side of a well, a place for chatting. It comes from the Japanese phrase – idobata kaigi. Kaigi means a meeting. It means people gather to talk.) This lecture invites various guests, which we started this year. Hironobu Fujiwara was the first guest at Orinas Hall.
- Tamaki
- I felt it was shameful not to use the Orinas Hall because of the pandemic, so I wanted to take advantage of this chance and had ‘Idobatamaki’ for the first time. They have a huge parking space and a grand auditorium. The good thing about that day was we had a show by each team in the morning, and Mr Fujiwara’s talk was scheduled in the afternoon.
—— It was held in Orinas Hall, wow!
- Tamaki
- Yeah, because they have a stage and microphones, we can do anything we want. I asked each team to perform 5 to 10 minutes. They did all kinds of things: playing the piano, dancing, giving presentations, showing videos.
—— Uh-huh, there were performances in Orinas Hall in the morning.
- Tamaki
- Yeah. (laugh) Each performance had the originality and uniqueness of that team. It’s crucial to focus on performing something as a team, right? The team’s strength was improved a lot, so that was also another good thing we had.
—— After that, ‘Idobatamaki’ has been held regularly at both Orinas Hall and Shop & Lab. This event will be helpful to choose guests and themes, and ‘niime village’ concepts.
- Tamaki
- I invite the guests who I want to listen to.
—— ‘tamaki niime’ creations started with Ms Tamaki’s work with a power loom, and when she invented one-item shawls, the efforts of ‘SDGs’ has been already included. Starting from that, you think of earth-friendly environments and farming and link closely with the ‘niime village’ concepts. You play a significant role in conveying the message of connecting those things…
- Tamaki
- I became a navigator in connecting them.
—— Yes, indeed, you made it. Bringing in people who make efforts for the ‘tamaki niime’ brand or have an affinity with it and having them talk about their actions, you are increasing those who understand the concept of those connections.
- Tamaki
- I often go out learning definitely because I want to gain a higher understanding, but it doesn’t help us improve any further if only I own such knowledge by myself. Therefore, all the efforts started by sharing my knowledge with my staff and understanding my thoughts. The movie festival was so successful.
—— That’s ‘Big Little Farm’, right?
- Tamaki
- The movie was brought by Mr Yanagi of the Minoru team, and I was not in the project. During the festival, it was an excellent opportunity; they served the rice they grew for themselves and cooked it on the fire outside, which were all their ideas. Moreover, they provided a splendid handmade theatre for watching a movie.
—— You had a giant screen using the Lab’s wall.
- Tamaki
- You know, at the film festival ‘*Nishiwaki Cinema Paradise’, they have time to chat after the movies with the audience. I liked that idea and did the same thing of exchanging our opinions. Some people talked about ‘tamaki niime’ there, which was an excellent opportunity for the staff to hear about us in a different place. It was also meaningful to have this event for the team to make connections with customers. We will continuously do it in 2022.
* It’s a local club of movie fans who organise and show each district’s favourite movies at several places in Nishiwaki and Taka. The movie theatres are held at Japanese style inns, classrooms of elementary schools, old city halls, campgrounds, etc. They provide a time to share opinions with the audience after watching movies.
—— Speaking of the Minoru team, Mr Ohama originally from Okinawa, Nishiomotejima, flew back there and is making an effort to get salt from the ocean and black sugar made from sugarcane.
- Tamaki
- It was decided that ‘tamashio’ would be sold by ‘tamazon’. If we pursue more quality, we may have the salt taken at the new moon or the black sugar made from organic sugarcane. We want to be particular about that.
—— When you start getting so particular, you may farm according to the lunar calendar, just like Japan in olden times.
- Tamaki
- Right, right! I certainly think so.
—— Salt and sugar, necessities of living…
- Tamaki
- They are fundamental. So are rice, soybeans, and Miso…
—— And soy source.
- Tamaki
- We make them by ourselves; that’s one of the means in the emergency stocks. I want to work hard.
—— What can I say? My impression is that it sounds like returning our living rights to our own hands.
- Tamaki
- I want to connect them and not be separate. If we just buy and consume them and that’s all we do, we wouldn’t know why they are good, delicious or we don’t even know if they are fake or real.
—— Hmmm.
- Tamaki
- That’s why I want to experience them. Unexpectedly, they are connected, but in fact, they are sold separately. I don’t mean to change all of them to 100% homemade things. Just like starting making cotton, I just wanted to know first. After learning about them, I wanted to choose. To have the opportunity to choose, I want to challenge what I have never done. At the final means for the things, if we can’t handle, we may ask to order the things that someone could do for us, but we want to create something original satisfactorily.
—— The ‘niime garden’ is in the backyard of Shop & Lab. You worked with ‘Daichi no Saisei: Rebirth of the Earth’ on raising trees and plants.
- Tamaki
- Yes, we did. We worked hard.
—— I was surprised by the softness of that lawn.
- Tamaki
- Sure?!
—— I was surprised by how resilient it was when I walked on it.
- Tamaki
- It feels so good. It’s fantastic if you spend time on it with bare feet.
—— How do you make it so soft?
- Tamaki
- As you know, it has to have air underneath. It must be the trick of the whole place; having air going through under the earth makes the lawn soft and fluffy.
—— I see. You have a wonderful open space …
- Tamaki
- Yes, we did!
—— Is that still in the middle of construction?
- Tamaki
- It’s not done yet.
—— I won’t be surprised by that because of your efforts, Ms Tamaki. It would change more and more.
- Tamaki
- Well, I want to keep cows and horses in 2022. My house would be built with cow and horse pens attached to the back.
—— … Wow … it would finally come true.
- Tamaki
- I have to ‘act on my word’. That’s why once I had an idea, I had to say it out loud. Everyone is against me to keep cows and horses, though. (laugh) My dream is that I am riding a horse along the riverbank of the Kako River. Riding a horse is considered the same as riding a bike so that I can ride a horse to the city hall. Don’t you know that?
—— Is it allowed by traffic laws? …it’s legal? Is that right!
- Tamaki
- Before we became a motorised society, the roads existed for horses.
—— Eventually, just like Ms Miyazaki’s imagination, Ms Tamaki would ride a horse wearing a flair skirt. (laugh)
- Tamaki
- I will gallantly make my debut, wearing ‘de flair’.
—— I can’t wait to see the picture for it on LINE. It’s not only a high-impact promotion for the product of ‘de flair’, but also it would be connected to ‘niime village’, which may make people long for, or give them a clear vision of ‘tamaki niime’.
- Tamaki
- With my sweet wish, the only fantasy I have is the one I dream of every night. (laugh)
—— Wow〜, you have so many dreams…
- Tamaki
- As I list them up, there are so many.
—— Yes, I genuinely feel many efforts are coming full circle. Speaking of products, the creations of many teams as ‘Group of Unique Creators’ are connected, and as I see lined-up products on Online Shop, new works are coming out more and more every day. Also, LINE delivery looks to be speeding up.
- Tamaki
- Not quite yet, though. I am happy our staff’s work quality improved in many areas: the delivery of Instagram, the quality of movies, the staff models taken in videos and the way of taking pictures. Learning from various instructors we invited and having experiences planting many kinds of study seeds, I could see our growth as I look back over the year. I am so happy to feel that.
—— You change the way of presenting attractiveness depending on each work’s quality.
- Tamaki
- I feel strongly that we’ve become connected. We have started doing ‘TenTen’ this year. That’s the one we drive around selling.
—— Loading up the car with lots of products, you drive to the shops of your business partners and have events there. We haven’t talked about that yet, right?
- Tamaki
- The result is that we strongly influenced the staff.
—— Is that so?
- Tamaki
- Visiting partner stores, we could connect with their customers, but also with sales workers, so we could finally gain an opportunity to offer the information as a creator. Also, we have opportunities to hear from the store owners. As we are introduced as Lab creators, we can listen to our products reviews, which motivates us to work hard and be happy and be thankful.
—— I see.
- Tamaki
- That’s why this opportunity leads us to grow as a person. Although we have been working only in one way so far. Now staff can experience selling at the stores, which may have to listen to some complex opinions. But all experiences, including such bitter words, learning a whole process from manufacturing to selling, improved a lot for my lab staff, just like I did.
—— I see.
- Tamaki
- I regretted that I didn’t do it well. However, I have been thinking about how to make the staff connect with both works of manufacturing and sales since we divided working as different tasks. It was a mistake that I didn’t have them go out selling because of being so busy.
—— Although there must be different good points in selling at department stores, it’s possible to work at partner stores to have closer and friendly communications.
- Tamaki
- Our young staff needs to talk directly with individual store business owners and professional sellers who encourage them or give them advice, correcting their mistakes. Having such helps to develop our staff over this year, staff’s skills improved. So I’m looking forward more in 2022.
—— It was perfect for your staff who work at the Lab to be able to go out selling at actual stores.
- Tamaki
- It was great! The pandemic was the trigger, and opening the Machida store brought a synergistic effect.
—— Then your staff come back to work at the Lab.
- Tamaki
- Coming back here and getting more motivation for creations, we have a good cycle for products. (talking to Sakai) All right, please conclude it!
- Sakai
- My 2021, let me just state my conclusion.
—— Please do.
- Sakai
- I really thought…when you want to grow and press forward, nothing would get done if you don’t reconsider yourself with much appreciation.
- Tamaki
- Recently, we’ve been talking about the importance of appreciation.
- Sakai
- Reflection and appreciation are essential.
- Tamaki
- It can help people change themselves.
- Sakai
- Yeah, absolutely they can if they work on them.
- Tamaki
- After all, we had our staff’s personal counselling, listening to many stories from them. I wonder what makes different results from people who grow a lot and ones who never change. I’ve thought a lot about it, and this must be the one, which is appreciation.
- Sakai
- And reflection.
- Tamaki
- Some people make the same mistakes after being told many times, and ones who never make the same mistake again after being told once and grow more and more, and the later ones may make a different mistake, but not the same level mistake.
—— They accept bitter bits of advice and appreciate them, right?
- Tamaki
- That’s it.
- Sakai
- If you stubbornly put up a barrier between yourself and the rest of the world…
- Tamaki
- Nothing can change yourself.
- Sakai
- If you are like that, you can’t reflect yourself nor appreciate anything.
- Tamaki
- That’s shameful.
—— The key is acceptance, right?
- Tamaki
- Yeah. That’s important for developing our growth.
—— I see. Thank you very much. I could listen to various things of ‘tamaki niime’ in ‘A Year End Version 2021‘, and you will finally open a new store in Nishiwaki, having two stores after the ‘New Year of 2022’.
- Tamaki
- That’s right. What would it happen? (laugh) We’ll do our best!!
<continued in New Year’s Day ‘A New Beginning Version’>
Thank you very much for reading ‘Encyclopedia of niime’ this year. I hope you all have a Happy New Year!
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.