niime 百科
Encyclopedia of niime
縫製チーム・宮崎直美の、超感覚的モノづくり論。
Sewing Team member, Naomi Miyazaki, talks about her hyper-sensible creativity.
2021 . 12 . 21
「縫製チーム」スタッフ連続インタビュー、今回は宮崎直美の巻。播州織産地・西脇で機屋の娘として生まれ、洋裁を学び早くから自ら服づくりを手掛けてきた彼女は、生地に対する豊かな感性と独特の発想で「縫製チーム」におけるtamaki niimeのクリエーションを牽引する存在だ。宮崎流、その独特のモノづくりの秘密に迫ってみた。
― 前回は鹿嶽さんに色々と縫製チームのお話を聞いたんですけど、“分析家”だなぁと。
宮崎「うん、すごいよ。スゴイ。」
― とてもチームの状況をよく観ておられて。で、宮崎さんのこと、すごいって何度も口にされてました。
宮崎「ウフフ。鹿嶽さんとは色んなことが“逆”ねん。それがエエんちゃうかな。お互いの得意分野が解ってて、良いバランスで。」
― 今回は宮崎さんのモノづくり、クリエーションの秘訣みたいなところをお聞きしようかなと。あの、フレアスカートありますよね。ロングのやつ。
宮崎「うん。デニムの、ロングのね。」
― 「de ふれ」。LINEで紹介されてるのを観て、無茶カッコイイなぁと思いました。
宮崎「あ、そう。良かった(笑)。」
― その辺からまず聞かせてもらえますか?
宮崎「その辺から。なんやろう…まずね、昔から自分が見てきたもの・触れてきたもの、体験してきたもののイメージとかって、ずぅーっと残ってるでしょ?」
― 子どもの頃の?
宮崎「子どもの時からこれまでの。残ってるでしょ?、自分の中に。あ、これは気持ちが良いとかこれは美味しいとか、あるでしょ?」
― はい、ありますね。
宮崎「服も一緒で、わぁこんなん着たいなとか、こんなん好き!っていうのが、頭の引き出しにインプットされてるねん。こういうイメージとか雰囲気が好きっていうのが。」
― なるほど。はじめから具体的にフレアスカートってゆう絵があるわけではなくて、もっとざっくりとした…
宮崎「その奥に舞台がある。(笑)」
― ステージに立ってるみたいな?
宮崎「そんな感じ。だから、ずっと言うてるけど、私的には、馬に乗った女性のイメージ。」
― 乗馬している女性が身に付けてるようなイメージだと。
宮崎「古い洋画とかで、馬に乗って闘ってる女性とか…映画だからかもやけど、綺麗な服を着てる…中世ヨーロッパのドレスとか。あんなん着て闘えるの?、って思うんやけど、女性らしさにプラス、「強さ」みたいなカッコ良さ。」
― 色んなイメージの端切れが合わさって、宮崎さんの頭の中で“発酵”してるというわけですね。
宮崎「発酵(笑)!そう、発酵してんねん。そのアウトプットをここでしてる感じかな。…フレアスカートは高校生の時に観た『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ。あの映画にすごい影響されたのは覚えてる。なんか彼女の生き方とか。カッコイイなと思たんやろね。けっこう衝撃的やったね。」
― 自立している女性像というか?
宮崎「あ、そうやね。女性としても可愛いんよ、お茶目で。もともとはそんな強くもないしお嬢さんで、ワガママで…なのに逆境に遭遇してしまったわけで、それをなんとか乗り越えようとしている一生懸命な姿。そうゆう感じかな。(小声で)…社長(笑)。」
― 凛としたイメージが重なりますね。
宮崎「もうひとつ印象的な作品が『ひまわり』。私の場合、映画観てる時って、内容もやけど、周囲の景色とか小道具とか、色のトーンとかが、主人公とマッチしてると、わぁすごいおしゃれな映画!って思ったりする。」
― 上手にコーディネートされてる感じなわけですね。
宮崎「そういうので自分のセンスを磨く。あれエエな、とか。」
― 映画がネタ帳みたいな(笑)。
宮崎「そう、そんな感じ。…やっぱり邦画より洋画やね。」
― なるほど。色彩感覚的なものもあるんでしょうかね。鹿嶽さんいわく、色んなオモシロイ生地が素材として上がって来る、それを触った瞬間に宮崎さんは閃めくんです、と。
宮崎「そうねん。それはやっぱり、今まで色んな生地に数触れて来たからかもしれんけど、この生地やったらこんなんしたらいいのに、というのが、ボワボワボワ~ッ!!と湧き出て来るねん。」
― その場で?
宮崎「うん。ここにはね、オモシロイ生地がいっぱいあるから。私にとってはまさに宝庫やわ。」
― 鹿嶽さんはtamaki niimeの生地は柔らか過ぎて、縫うのに慣れるまで大変で、独特のクセがあると言っておられましたが。
宮崎「せやね。ゆるいゆるいから、うん。」
― それをどう作品に持っていくか…ですか?
宮崎「縫い方なんかでもね、布を“入れてやる”というか。抑えつけて縫うんじゃなくて。」
― 入れてやる?
宮崎「どない言うんか…できるだけ“自然な”状態で。アイロンしてパチッと型付けるん
じゃなくてこう、フワフワッと。クルクルクルッと。」
― はぁ~…。
宮崎「生地によってそれぞれやけどね。ウチの生地はそんな風にしやすい。できるだけ自然な状態で生地を…どう言うの?…「折り紙とは違う」ってとこ。」
― …そのぅ、キチッキチッとした感じじゃなくって??
宮崎「糸の一本一本も、フニャフニャと生きとるな、ってゆう感じやな。」
― おお~…。素晴らしい表現…。
宮崎「なんかそんな感じがする。」
― そこを、無理矢理抑えつけるようなことはせずに…
宮崎「うん。抑えつけたら、変な形になる。」
― 変な形になる、というのは…
宮崎「抑えつけるからよ、だから。だから、自由なカタチにしてやる。そうゆう感じかな。」
― 生地とお話してる感じですか?
宮崎「あ、そやね。(爆笑)」
― (笑)玉木さんからも、力織機と対話するとよく聞いてましたから。
宮崎「生地とおしゃべりする。」
― どうしてほしい?、とか訊いて(笑)。
宮崎「うん。もうちょっとこっちへ入ってくれへん?みたいな。」
生地たちへの愛情を滲ませつつ、これまでの縫製の常識にこだわらずに、生地の素材としてのありのままのポテンシャルを活かし切る発想が宮崎流とみた。そこには、過去数知れぬ生地に触れてきた経験も踏まえて、「縫うこと」を知り尽くす彼女ならではのモノづくりのアプローチを感じる。以前には、自宅で子供服や割烹着を何百着と製作してご近所や知り合いに向けて販売したという。着る側・使う側の立場で、製作にどんどんと創意工夫を加えてゆくこともためらわない。
宮崎「日常生活で、ここ、もうちょっとこうやったら良いのに、これはちょっとジャマかな…そんな感じ。実際に家で身に付けて動いているから。」
― そこは“女性目線”というか、実際に着て使う立場での感覚というか。
宮崎「そうですね。というか、勝手な自分の想いやけど。」
― 「一点モノ」ですし、そうゆう想いって大事じゃないですか。
宮崎「あのね、一般的にはそこまでこだわらへんかもしれへん。割烹着って、腕のとこがポワンて膨らんで洗濯機に手を入れたりお鍋持つときに邪魔やから、アームバンドがほしい、と思ってくっつけた。そこを輪ゴムで留めたら済むんやけど、そうじゃなくってなんかひと手間(笑)。アームバンド、ぶら下がっててカワイイねん。」
― (笑)カワイイのって大事ですもんね。
宮崎「そやねん。あのね、女の人って、瞬間的に“カワイイッ!”って。それが大事やと思う。小物でも、カワイイってゆうの絶対観るよな?っていう。」
― 創るときも、その瞬間の感覚を大事にしてると。
宮崎「そう!色々いっぱい創るけど、自分的にも今イチこれどうかな…ってなる時あるやん?それで誰かに見てもらったら、その反応見て一瞬で良し悪しがわかる。それをどうこうしようじゃなくて、そんな時は次に行く。」
― 引きずらずに。
宮崎「手放さへんよ。とりあえず置いとく。で、次へ行く。だって今閃かへんねんもん。またいつか閃めくやろうとこれはこれで置いといて。」
― 人に見てもらうのは反応を知るために?
宮崎「エエのんできた時とか…数つくってたらだんだんわからなくなってくるねん。」
― いっぱい創るうちに自分の判断が鈍ったり。だから他の人に観てもらったり。
宮崎「そう。私の場合はわりと、自分がこれ絶対エエっていうより、どっちかゆうたら相手の反応かな。だって、自分がエエと思ても…ね?」
― 人に喜んでもらいたいという想いがあるわけですね。
宮崎「そうそう!それが一番やね。これほしいわ~って言われるのが嬉しい。うん。」
― 「たまふく帳」に、ラクガキするようにステッチを入れてると鹿嶽さんから聞いたんですけど、そのお話をお願いします。
宮崎「私的に、“エエかげんステッチ”って言ってるんやけどね。でもいい加減にステッチが走ってるようでも、バランス考えてるんですよ。ここでビビビッて行ったらここは間空けて。ここは長い線がイイな、とか。ちょっと絵を描いてる感じ。」
― ドローイングですね。
宮崎「うん。それなりに考えてるから。縫製スタッフ何人かでステッチ付けてて、そこはそれぞれのセンスやけど、ちょっとアドバイスしたりもしながら。」
― ステッチ入れる時は勢いですか?
宮崎「勢いですよ。慣れてきたらもう、いちいち考えずに。あ、そうそう、自分が「たまふく帳」買って持ってたら、暇な時にステッチの線を指でスーッとなぞるかな、とか。」
― ?…ああ~。
宮崎「あっち行ってこっち行って、次こう行って…」
― (爆笑)。
宮崎「思いません??私、それすごい思うねん。」
― (笑)。…それ面白いですね。
宮崎「なぞる人いるやろな~とかって思う。縫いながら道をつくってるみたいだからそう思うのかもしれないけど。ボーッと誰か待ってる時とか。」
― 「たまふく帳」のバッグを持ちながら。
宮崎「時間がある時とかに、ちょっとパズルやってみようかな~という感覚?? それって“遊びゴコロ”かな。」
― 無茶、“遊びゴコロ”ちゃいますか、それ。
宮崎「どこが始まりかな~とか。縫ってる時にイメージするよ。終わりはここに行った方がいいかな、とか。」
― ステッチをたどって行って…面白い(笑)!宮崎さんの頭の中がちょっとうかがえた感じですね。そのエンタメ性というか人を愉しませたい、というのは玉木さんと共通ですね。
宮崎「でもね、スケールが違いますよ。私はもう、この程度です。笑」
― でもモノづくりの姿勢というところでは一緒やないですか?
宮崎「あ、せやね。」
― 当たり前じゃ面白くない、創るモノにはちょっとスパイスを効かせたい、という感じでしょ?
宮崎「だから、自分も身に付けたいけど、絶対着たい人いるやろなって。こんなにカッコイイから着てよ!って感じやね。」
― はい。
宮崎「フレアスカートっていったら、歴史的にも昔から変わらずにある。女性なら一度は身に付けたいと思うというか。」
― 憧れ的な?
宮崎「あれ創るのにどれだけサンプルつくったか。長く使った時にカタチが崩れないか?完璧はないねんけど、生地のクセでバイアス(※)のところはどうしても伸びるから、そのままやと他の部分のボリュームが少なく感じてしまうねん。そこをどうやったら全体のバランス良くカッコ良くできるかな?と。」
(※)斜め45度のこと。通常生地はタテ方向にカットするが、斜めに裁断をすることを「バイアスカット」「バイアス裁ち」「バイアス使い」などと言う。生地の伸縮性が増すため、体にフィットした美しいシルエットが出せる。
― ふぅん…。
宮崎「だからパターンをどうかなこうかな置いてみたり、どの部分が伸びて一番いいんかな?とか。」
― そこも試行錯誤して、フレアスカートが誕生した、と。
宮崎「こだわり過ぎかもしれへんけど、私的により美しく・カッコ良く見えたいと思うし。自分が身に付けたときにもね。そのこだわりかな。スカートならなんでもいいってわけじゃなくて。」
― 本当に色んなことを作品づくりに盛り込んでいますよね。着心地・はき心地もあり、身に付けたいシチュエーションだったりのイメージもあり。
宮崎「それがいっぺんにワーッと来て、バチッ!!と合うた時にはもう、速くできる。」
― 色んなことが一度に浮かぶわけですか。はぁ~…。
宮崎「「ダックス」なんかでも元々、絶対何か使えるわって半年間眠らせてた、気に入った部分があって。」
― 気に入った部分というのは?
宮崎「面白いパンツとか創りたいなって、またその生地をあれこれ触って、でも出来上がらなくて、ポイッて机の上に置いた、その瞬間に見えた。」
― 放っとこう、と思った瞬間に。
宮崎「こう、置いた、そのカタチ。あれっ?って思った。カワイイんちゃうん!?って。」
― 偶然置いたそのカタチが。
宮崎「うん。で、このカタチを脚の下の方に使こうたら絶対イイなって思ってん。だから裾から出来てん。」
Online Shopのページを開き「ダックス」を2人でチェック。
― カワイイですね。
宮崎「この裾の部分が絶妙ねん。カーブしてこっち側の生地が向こう側に行ってまた前へ、妙なことになってる。裾がネジレてんねん。」
― へぇ~~…。
宮崎「パッと布を置いた時に、この感じが出たんよ。あれっ?て。その時にイメージがブワッて頭の中に浮かんだんやけど、それをどうやって上の部分につなげるか苦労しましたね。」
― 確かにカーブしてますね。
宮崎「ネジレて、左脚の前から右脚の後ろへ回ってる。こう行ってこう行って…「8」の字やね。下から見たら。」
― ああ~!なるほど。なんか、無限大「∞」みたいなカタチですね。
宮崎「あ、そうそうそう!昔一緒に洋裁教室に行ってた友だちが『ダックス』を買ってくれたんやけど、これどないなってんの??って(笑)。だから洋裁できる人でもちょっと真似できないと思う。」
― ある意味マニアックなアプローチというか…すごく面白いアクセントになってますよね。
宮崎「そうなんですよ。はいた時にシンメトリーでグニュッて歪みがある感じ。無茶遊びが出る。」
― 生地が重なった感じをパッと目にした瞬間に、確かな感覚があったんですね。
宮崎「これを使いたい、なんとかしたいと。」
― すごいな~。
宮崎「それが何なんか、ようわからへん。」
― ようわからん。…もうアートの領域というか。
宮崎「だから、こんなモノをつくりたい、じゃないねん。」
― そこからモノづくりが始まるっていうのがすごい。
宮崎「頭の中にあるイメージをカタチにしたい、ってゆう。あらかじめデザイン画描いて、じゃないんですよ。布から始まる。」
― それって玉木さんと一緒じゃないですか。玉木さんの場合は実家が洋品店であるわけですけど、そこは機屋さんの娘として、というところでしょうかね。
宮崎「どう創るか、社長に「あっ!なるほどっ!」って、社長の話が終わるか終わらないかでクルッと背を向けて部屋に帰る事がよくあるので、めっちゃ失礼ですよね。でもまあ、そんな感じでスピーディーに事は運びますね。マスクの時も…」
― あのデザイン、無茶カッコイイですよね。
宮崎「うん。それとマスクの場合、フィット感。バイアスやと伸びるから柔らかくなる。顔に付けるモノやし自由に動くでしょ?この柄はヨコに使うより、絶対ナナメの方が良いですって言ったら、すぐにそうやなって。」
― アイデアを感覚的にすぐ共有できるわけですね。さっきアートとか言いましたけども、身に付けるモノづくりである限りは相手があって、実用性も大事だから、そこも全部ひっくるめてカタチにできるってすごいクリエーションだと思います。…いやぁ~愉しいお話が聞けてよかったです。
宮崎「いえいえ、とりとめのない話でしたけど。」
― そこが良いんですよ。
宮崎「私はここでしゃべるような、そんなんじゃないんよね…って思うねん。」
― いやいや、説明的にということでなく、宮崎さんの発言から色々と感じ取って頂ければ良いなと思うんです。
大切に使い込んで身体に馴染んだ服や靴に愛着があるという宮崎。生地の特性を見極め、経年変化をも視野に入れ、生地と“対話”しながら、その場の閃きと遊びゴコロを大切に、日々モノづくりを愉しんでいる様子が彼女の言葉の端々からとてもよく伝わってきた。
― 最後に、これからやりたいこととかありますか?今も十分に愉しまれているとは思いますけど。
宮崎「これから?…あります。ありますけど、言わない。」
― (笑)。山下さんも同じ答えでした。夢は話すと叶わなくなるから、と。
宮崎「あ、そう? 私、完璧にあるよ。」
― では、いずれわかるからお愉しみにということで(笑)。
宮崎「ウフフッ(笑)…はい。」
書き人越川誠司
I continued my interview with a member of the sewing team. This time I had Ms Naomi Miyazaki, whose parents were textile factory owners in the Banshu-ori area of Nishiwaki. She learned western dress and clothing creation while young and she leads ‘tamaki niime’ innovation on the sewing team with her rich sensitivity to fabrics and unique ideas. I searched for the secrets behind her unique sense.
—— In the last interview, I asked Ms Katake about the sewing team. I am impressed with her analysis.
- Miyazaki
- Yeah, she is terrific.
—— She’s been observing the teams progress very well, and she mentioned many times that she is so impressed with Ms Miyazaki.
- Miyazaki
- (laugh) Ms Katake and I are opposite each other in many areas, which may be good for us. We are well-balanced, knowing what our advantages are.
—— Ms Miyazaki, this time I would like to ask you about the secrets of your creations. You know, that flared skirt…the long one.
- Miyazaki
- Yeah, the long denim one.
—— ‘de flare’. I saw it featured on LINE. I thought it was a cool one.
- Miyazaki
- Oh, that’s good. (laugh)
—— Would you tell me about it?
- Miyazaki
- Well. What should I say? Basically, we always keep images of what we have seen, touched or experienced from long ago, right?
—— Since childhood?
- Miyazaki
- From childhood to now. You keep them with you, right? So you know how well or delicious you feel or taste.
—— Yes, we keep them.
- Miyazaki
- You can say the same thing with outfits. We have ideas about what we want to wear and what image or atmosphere we like in the corner of our minds.
—— I see. There was no exact picture of flare skirts from the start…you had just a vague image.
- Miyazaki
- There’s a stage in the back. (laugh)
—— You mean, standing on the stage?
- Miyazaki
- It looks like that. I’ve been saying, to my mind, there’s an image of a woman riding a horse.
—— You have an image that a woman riding a horse is wearing it.
- Miyazaki
- In old western movies, women fight riding on horseback. Probably it’s just movies because they wear beautiful dresses like medieval European dresses on the battlefield. Can they fight with those dresses on? However, they look feminine but solid and fabulous.
—— Ms Miyazaki, you have all kinds of image pieces fermenting in your mind, right?
- Miyazaki
- ‘Fermenting’! (laugh) That’s right! They’ve been fermenting, and I have been outputting here. Scarlett O’Hara influenced the flared skirt in Gone with the Wind when I watched it in high school. I remember being incredibly influenced by that movie. I was shocked to see her way of living, thinking how cool she was.
—— Because she is the image of an independent women?
- Miyazaki
- Oh, yes, but she is cute and mischievous as a woman. She is basically not assertive, just preppy and self-centred, but she encountered adversity and tried to overcome it. Something like that. (in a small voice) Boss? (laugh)
—— We can overlap her image of dignity.
- Miyazaki
- Another impressive movie is ‘Sunflower’. Watching movies is not just enjoying stories; I enjoy watching the details of surrounding views, props, and colour tones. If they match the main characters, I think such movies are incredible.
—— You think they are well coordinated.
- Miyazaki
- I can improve my sense of style by watching them. I study what is good.
—— Movies look like material study notes. (laugh)
- Miyazaki
- Right. They look like that. I can learn more in western movies than Japanese ones.
—— I see. They may inspire you with a sense of colour. As Ms Katake said, when attractive fabrics are produced, Ms Miyazaki gets inspired instantly when she touches them.
- Miyazaki
- I think so. I think it’s because I have previous experience with various fabrics. So I get ideas of doing this and that one after another when I watch fabrics.
—— Are you inspired at the that moment?
- Miyazaki
- Yeah. There are many exciting fabrics right here. This place is truly a treasure trove for me.
—— Ms Katake said that the fabrics of ‘tamaki niime’ are too soft to sew and take time to get used to. She said they have a peculiarity.
- Miyazaki
- That’s true. They are very, very soft.
—— The challenge is how to make products with them, right?
- Miyazaki
- Sewing them is like inserting fabrics inside, not sewing while holding them tight.
—— Inserting?
- Miyazaki
- How can I explain? You have to sew them as natural as possible, not making sharp lines with an iron, but to make them soft and natural.
—— Huh?
- Miyazaki
- It makes some difference depending on some fabrics, though our materials are generally easy to treat. We treat them as naturally as possible…how can I describe it? I can say that it’s different from folding origami.
—— Well, you don’t make them straight sharp lines?
- Miyazaki
- If I try describing it, each thread is alive, soft and floppy.
—— Oh, what a great expression!
- Miyazaki
- That’s how I feel.
—— You try not to force a tight hold then.
- Miyazaki
- That’s right. If we hold them, the shapes get deformed.
—— The shapes get deformed?
- Miyazaki
- Yes, they deform if you hold them tight.
—— So it looks like you are speaking with the fabric?
- Miyazaki
- Oh, yeah, that explains it. (Big laugh)
—— (laugh) I have also heard that Ms Tamaki often has conversations with the looms.
- Miyazaki
- I chat with fabrics.
—— Do you ask them what they want you to do? (laugh)
- Miyazaki
- Yeah, I have a conversation like, “can you move closer a little bit?”.
Having a passion for fabrics, she gets ideas to use the natural potential of fabric, not bound by the common usage of sewing; that’s what I feel the Miyazaki style is. Her unique style must be from her many experiences with unknown fabrics in the past and complete sewing knowledge. In her experience, she used to make and sell hundreds of children clothes and coverall-aprons to neighbours and friends at home. Thinking of how they wear and use them, she doesn’t hesitate to add more and more creativity to her production.
- Miyazaki
- I am aware of ideas daily if I should change this way or this one may need removing because I am wearing them at home.
—— That’s from the viewpoint of women or experience in how they feel when worn.
- Miyazaki
- Well, they may be just my own thoughts.
—— I think your thoughts are crucial because they are one-item products.
- Miyazaki
- Well, generally, we aren’t that particular. I wanted armbands on arm sleeves of coverall-aprons because the bulging arm sleeves get in the way when I put my hands in the washer or hold pans. Putting rubber bands on may solve the problem, but I wanted to give them one more touch. (laugh) Hanging armbands look so cute.
—— (laugh) Looking cute is essential.
- Miyazaki
- That’s right. You know what? Women are aware of cute things instantly! I think that’s essential. They consistently pay attention to cute accessories.
—— You cherish that feeling in those moments when you make something.
- Miyazaki
- Right! I make various things, and sometimes I don’t know if it’s cute or not. At those times, I have someone see it, and I know instantly by their response how well or bad the product is. So I don’t do anything particularly after their answers, and I just move on to the next.
—— You aren’t dragged down.
- Miyazaki
- I don’t give up. I just keep going and do things different next time, because I can’t get inspired right now, but I hope to be inspired sometimes. That’s why I leave it.
—— You show your products to see people’s reactions?
- Miyazaki
- Yes, when I think I made a good one but…I’m not sure if it’s good or not while I make so many things.
—— While you make many, your judgement gets impaired; that’s why you have someone see it.
- Miyazaki
- Right. I would rather depend on others’ responses than my confidence. Even if I think it’s good…don’t you think?
—— You desire for people to be happy with your products.
- Miyazaki
- That’s right. That’s all I want. I am so happy to hear people saying, “I want it!”. That’s it!
—— Ms Katake told me you put stitches on ‘Tamafuku cho’ that looks like graffiti. Can you tell me about that?
- Miyazaki
- I call it ‘sloppy stitches’, which look sloppy but has a good balance. I made some spaces after placing big stitches or made a long line that looked like drawn pictures.
—— It looks like drawn pictures.
- Miyazaki
- Yeah, we make stitches while thinking up ideas. Sewing staff make stitches with their own ideas. Then I will give them some advice.
—— When you make stitches, you don’t practice?
- Miyazaki
- Yes, we do it without rehearsal. After getting used to it, we don’t think about it. Oh, yeah, if I buy and get ‘Tamafuku cho’, I would trace the lines of stitches with my fingers in my free time.
—— ?…ah-.
- Miyazaki
- Go here and there, and then next to that way…
—— (big laugh)
- Miyazaki
- Don’t you think that?? I really think that’s great.
—— (laugh) That’s very interesting.
- Miyazaki
- I think some people try tracing. I may think that because we look like we are making roads with the stitches. Some people may trace them while waiting for someone in a daze.
—— They wait while holding ‘Tamafuku cho’ with them.
- Miyazaki
- It’s just like playing puzzles in our free time. I wonder why we possess that desire to have fun.
—— It must be an absolute desire to have fun.
- Miyazaki
- When I start sewing, I have an image of where to start and where I should end.
—— You are tracing stitches. It’s funny! (laugh) I could glance inside Ms Miyazaki’s mind. You want to entertain people just like Ms Tamaki does. You two have that in common.
- Miyazaki
- Well, her scale is much grander. Mine is just about that. (laugh)
—— But your stance on creation is about the same as hers?
- Miyazaki
- I guess so.
—— It’s not fun if it’s obvious. For example, you want to add spices to creation. Am I correct?
- Miyazaki
- Yes, that’s why I believe some people want to wear what I want to wear. I want people to wear fabulous outfits.
—— I see.
- Miyazaki
- Historically, we’ve had flare skirts for a long time. Women want to wear them at least once.
—— Longing for them?
- Miyazaki
- You can’t imagine how many samples I made for creating that denim skirt. The challenge was to keep the shape, not deforming, when you wear it for a long time. I can’t ask for perfection, though, but the fabric’s peculiarity makes it stretch on the bias* that causes you to reduce other parts’ volume, so how can I balance it all to get an excellent shape?
*It means slanted 45 degrees. We usually cut fabrics vertically, but cutting diagonally is called ‘bias’ or ‘bias cut’. It causes increasing fabric shrinkage and can create a beautiful form-fitting silhouette.
—— Uh-huh.
- Miyazaki
- So I tried to put patterns here and there, wondering which parts to stretch the most.
—— You went through a trial and error process, and the flare skirt was born, right?
- Miyazaki
- I may have been too obsessive, but I wanted to look it very beautiful and cool when I put it on. That is my obsession. Not just any skirts will do.
—— You put various elements into product creations, considering how comfortable it is when you wear it and what kind of situations it will be worn in.
- Miyazaki
- When those ideas come to mind, everything matches up, and the creations speed up to the finish.
—— Many things come to mind at once, wow〜…
- Miyazaki
- Talking about ‘Dachs’ (*the name of pants), I stored some favourite materials for a half year that I thought were useful.
—— What was your favourite part?
- Miyazaki
- I wanted to make exciting pants and touched some materials, but I couldn’t make them. When I put those materials down on the desk, I was inspired.
—— You left them for the moment.
- Miyazaki
- I was inspired by the shape of the materials that I put down. I thought, what if it might be cute!?
—— The shape was accidental.
- Miyazaki
- Yeah, and I thought I could use this shape on the bottom of the pants design. That’s why the pants shape was designed from the hem.
We opened the online shopping page and checked on ‘Dachs’.
—— They are cute.
- Miyazaki
- Around the hem is just perfect. The curb and the front side goes back to the other side, and it comes back to the front again, which is very strange. The hem is twisted.
—— Wow…
- Miyazaki
- I was inspired by this shape when I put down materials. Like, what is it? Even though I had the image in my mind, it was hard to connect with the upper part.
—— They are curved.
- Miyazaki
- They are twisted, and the front of the left leg goes to the right leg back. It goes this way and that way…looking like the figure eight when you look from the bottom.
—— Oh, I see. It looks like a Möbius strip.
- Miyazaki
- Oh, yeah! A friend who used to go to dressmaking school with me bought a ‘Dachs’, and she wondered how they work?? So even people who know sewing can’t imitate us.
—— In a way, it’s a very technical method and it’s a fascinating design.
- Miyazaki
- Yes, it is. When you wear them, you feel symmetrical but squishy and distorted, feeling a lot of fun.
—— When you saw the piled-up materials, you were inspired, right?
- Miyazaki
- I thought I had to help by using this.
—— Wow〜
- Miyazaki
- I don’t know what that was. I really don’t.
—— You don’t know… it’s in the territory of art.
- Miyazaki
- So, it’s not a matter of what kind of products I want to make.
—— It’s incredible that you began with that.
- Miyazaki
- I just want to see the products I have in my mind and make them. I don’t start with drawing designs, but it starts from a piece of cloth.
—— Isn’t that the same process as Ms Tamaki? In her case, her parents owned a clothing shop, and your parents had a textile factory.
- Miyazaki
- How do I create? I get inspired in the middle of a conversation with the boss, and I often turn back to my room even before the boss finished talking. I am so rude but working like that, the creation goes faster. Making masks also…
—— That design looks so cool.
- Miyazaki
- Thanks. Masks need to be fitted. Bias-cut makes materials stretchy and soft. Masks are worn on the face and move freely. When I suggested that the cloth patterns should be cut diagonally rather than horizontally, everyone instantly agreed with my idea.
—— You can share your ideas naturally. I mentioned it as art, but your work is for people because you make clothing, and practicality is essential; I think your creativity is excellent to shape everything. I really had a good time interviewing you.
- Miyazaki
- No, no, that was a bit of a rambling story.
—— That’s what I liked about it.
- Miyazaki
- I’m not the kind of person who usually does interviews.
—— I want people to understand many things from your comments, not just explanations.
She is attached to her clothes and shoes that have been carefully used and adapted to her body. She recognizes fabrics peculiarity and considers their life expectancy and changes. I could see her enjoy creating daily, talking with fabrics while cherishing inspirations and playful hearts from her comments. —— Finally, do you have anything you want to do in the future? I know you are enjoying your work a lot now.
- Miyazaki
- In the future? …Yes, there are, but I don’t want to talk about it right now.
—— (laugh) Mr Yamashita’s answer was the same. He said dreams wouldn’t come true if he mentions it.
- Miyazaki
- Oh, yeah? I definitely have one.
—— We will know it later, so let’s look forward to it. (laugh)
- Miyazaki
- (laughs and smiles) …ok.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.