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Encyclopedia of niime

お客様に寄り添い作品を送り出すShopチーム

〈後半〉

2020 . 10 . 15

6時からの終礼により取材はいったん中断。各チームのスタッフが集まり輪になって、順番にその日1日の取り組みの成果や反省を報告してゆく。 Shopチームの報告は全員のローテーション。この日の担当は藤田。今日の売れ筋などを的確に簡潔に皆に伝える。

― はい。それではインタビュー再開ということで、お客様の反応を現場のスタッフに伝えるやり取りなど、具体的にお聞きしたいのですが。

蔭山「さっきの終礼の報告のように、よく出ている色目とかを伝えて。」
藤田「例えばストックに関してだと、ニットの黒が少なくなってるよ、とか、そうゆう声も掛けるようにしてます。ネットでベーシックがよく出るので、こちらももっとベーシックがほしいとか。」
田中「お昼ごはんを一緒に食べながらすぐそばにいるから、やっぱりそういう話になったりするので。」
― はい。

田中「その時に、この辺の感じの色をお客様が求めてたからあったら良いな、とか伝えたり。」
藤田「普通にすれ違う時とかにも言ったり。」
蔭山「うんうん。」
藤田「例えばスタッフが考えた作品すごく人気があったでとか。そういうほんとに些細なこととか…」
― 嬉しいですよね。

藤田「うんうん。」
― チームなので皆んなでつくり上げる作品ではあるけど、主に誰がデザインしたとかも皆さん把握してると。

松本「この織りのデニムすごい売れてるよ、とか。するとテンション上がって、また頑張る!と。」
― そんなダイレクトなやり取り、普通出来ませんよね。

藤田「出来ませんよね。」
― ショップとガラス一枚隔ててモノづくりの現場があるから。

藤田「こんなん考えましたってゆう試作品とかもこれどう??って創り手の方が持ってきてくれて。」
― 創ってみた!と。

藤田「途中段階もあるし、サンプルの段階でけっこう話はしますね。ここはこんな方が良いんじゃないとか。」
― そこはお客様目線にもなってみたり、率直な感想を伝えて?

藤田「そうですね。自分がお客様なら、っていう感覚で。」
― そこにお客様と直でやり取りされてる販売員の目線も交えながら。

松本「それで修正を重ねていく感じで。」
― ちょっと意見聞かせて、みたいなやり取りが良いですね。

蔭山「着てみて、って持ってきてくれたサンプルを皆んなで着てみる。」
松本「サンプルを着てみて、お客様の意見を聞いたりもします。」
― 試作品を身に付けてShopに立って。

松本「そうやって紹介してお客様の声を聞いて、販売を検討したり。」
― 面白いですね。それはある程度よくご存じのお客様にお聞きするわけですか?

松本「初めてのお客様であっても、お話するうちにコミュニケーションは取れていくので。」
藤田「新規の方でも全然お聞きできるし。」
― そこでまた繋がりが出来て。

藤田「そうですね。」
― それってお客様としても面白いし、嬉しいのではと思います。

松本「創り手側にこんなんほしいって言っといてって、お客様からもおっしゃったりするので。」
― サンプルだと伝えることで気軽にご要望が聞けたりも。

松本「そこも愉しんでいただいてますね。」
― そうですよね。Shopに並べる作品選びの基準というのは?

松本「見せたい作品・ご提案したい作品を各チームごとにピックアップして品揃えして、Shopに置いたり、オンラインに載せたりというカタチです。ShopチームはShopチームでチョイスして。」
藤田「なんかもう、各自がバイヤーみたいな感じですかね。」
― 私はこの作品をおすすめしたい!っていう。

松本「うんうん。」
藤田「そうですそうです。」
― 素晴らしい!モチベーションも上がるでしょうしね。

松本「こちらのニットも、とご提案したり。」
藤田「今日ならこのゴジを皆んなで穿いてるから、ゴジをたくさん置いてないとお勧め出来ないな、とか。そんな感じですね。」
松本「寒さを感じるようになってきたらそろそろニットを、というところで品揃えを考えたり。」
― 秋冬だったり、先々の季節感も考え合わせながら、自分をコーディネート見本みたいに。

松本「そうです。新作を揃えてそれぞれが身につけてお客様に見ていただいたり。」
― その辺は相談して。

松本「はい。」
― Shopならではの大変さとかありますか?

松本「大変なことがあったとしても、大変で終わらずにそれが愉しさにつながって行くんですけど、作品の色揃えに欠けがあったりした時にお客様に提案出来なかったり…とかはあります。」
藤田「悔しい感じですね。」
松本「そうですね、悔しい。この色があれば喜んでいただけたのに…というのはありますけど、それくらいで。」
― そうですか。

松本「その時々でシンドイことがあったとしてもお客様からああ愉しかった、ありがとう。また来るわ〜って言って頂けたら忘れてしまうので。それを言ってもらえるための努力っていうのは、皆んなでしています。」
― そのための工夫というのは、具体的には棚のつくり方だったり、コーデもそうでしょうし、やはりトーク的なところとか。

松本「喜んで帰っていただく、そのための空間や時間を提供出来るように。それと、お客様のお話を聞くという。」
藤田「やっぱりトーク力は大事と思います。」
松本「お客様のご要望にそえるように。いろいろとお話を聞かせていただいて。」
― ですよねぇ。

松本「ただ、これだけたくさんの作品があって、やはりお客様は迷われるので、その中でどうお客様のお好みに合わせてコーディネートしいくか、というところも、普段から考えておかないといけないですね。」
― 全てが一点モノの、たくさんの作品の中からお客様が自分に合うモノを選ぶ、皆さんは一緒になってそれを引き出してあげる立場かとも思うんですが、お声掛けのタイミングとかは?

藤田「ゆっくりと観ていただく中で、やっぱりそれぞれにお好きな色ってあるから、作品を手に取られるんですよ。」
― なるほどなるほど。

藤田「そこからですね。ご試着されますか?から始まって、色んな作品を見ていただく。そんな感じですね。でも最後はご自分で決められる。」
松本「そこに至るまでに、身に付けるイメージをしていただいて、あ、そうやったら着れるわね、という感じで愉しみを見つけていただいて。」
藤田「着こなし方法とか、アドバイスはさせていただいています。」
― アドバイスですね、やっぱり。寄り添ってあげるというような。

藤田「そうですね。」
― どうですか?豊富な経験を持つお二人の話を聞いてて。

蔭山「すごいです、やっぱり。学ぶことがたくさんありますね。」
― 田中さんは?

田中「面白いカタチや色を愉しんでらっしゃる方がこのShopにはすごく多いなと思います。」
― はい。

田中「こうしたら愉しいよね、っていうのをお客様の方からおっしゃる。そんな方がすごく多いので。普通はけっこう無難なのがいいってなっちゃうんでしょうけど、ここのお客様は明るい色や面白いカタチが好きとか、デニムとかでもひと工夫あるのがいいって方がすごく多いので。それは今までの積み重ねだと思いますね。」
― 作品にしてもShopにしても、気持ちが開放的になるところがすごくあると思うんです。なので、ちょっと冒険してみようかなとか、普段着ていないモノを買い求めようかなとかになるのではと、皆さんのお話を聞いてそう思います。

松本「私、この色似合うんや、という新しい発見があったり。今までは《私はこうゆう色》って固まってたのが、これだけ色のヴァリエーションがあると、ご試着だけでも、とお勧めしてこの色良いんや!となって、お洒落の幅が広がって。」
― なるほど!

松本「絶対また来ます、というところから、だんだんとtamakiのスタッフのようなスタイルになってゆくという。」
一同「(笑)。」
藤田「だんだんとカラフルになってゆく(笑)。」
松本「どの人がスタッフかわからんくらいに。」
藤田「どこでも着て行きます、みたいな(笑)。」
松本「そうなったらまたお客様の愉しみが増えて。」
― 気がついたら一緒に働いてた、みたいな(笑)。

松本「一緒になって新しいお客様に勧めてもらったりとか。」
― それ、面白いですね。

田中「お客様同士でも、それいい!これいい!とすごく盛りあがって。」
蔭山「知らない方同士がね。」
松本「試着して出てきて、一緒になって、あ、カワイイ!とか。」
― なるほどね。

松本「それが愉しくって。」
― お客様も遊んでるみたいな。

一同「そうですね〜。」
松本「私もあれ着てみたいけどどこ?、とか。」
― お客様がtamaki niime化してるというか(笑)。

松本「私ここで働いていい??とか言わはりますから。」
― 面白いですね。ちょっと無いですよね(笑)。

田中「他ではなかなかない(笑)。」
― 改装して、より“ざっくばらん”なShopになったというか。

松本「窓が大きくなって開放的になってるから。」
― そうそう。

蔭山「光もかなり入るし。」
― 普通ファッションって、何か“構える”ところがあると思うんですけど、それがない。

藤田「以前は試着室が離れてたんですけど、今は3つ並んでいるから、お客様皆んなでお話しながら着る。私たちスタッフがそれぞれ付いてても、皆んな一緒にワーッてなってるから(笑)。このフィッティングの並びも面白いかなと思います。」
― 玉木さん、そこ狙ってたんですかね?

藤田「どうでしょう(笑)。」
蔭山「隣の人が試着して出てきた姿を観てそれがほしい、って言わはる方も。」
藤田「もうひとつ私もはいてみようかな、とか。」
― そこは一点モノなのでまた異なるわけですよね。

蔭山「自分が履いてるのと他の方がはいてるのとカタチが違ってたら、あのカタチのをはいてみようかなって。」
― はぁ〜…。なるほどね。そうなんですね。そこにはほんと「壁」がないですよね。

藤田「なんか最初は構えておられた方もだんだん心を開いて。」
松本「うんうん。」
藤田「すごい面白い冗談を言いあったり。」
― ふぅ〜ん……。そこがなんというか、tamaki niimeのマジックというか、魔法みたいな効果を感じますね。…心を解き放つみたいな。

松本「お帰りのときには必ずニコニコして帰られて。」
(一同うなずく。)

藤田「ストレス発散にとおっしゃる方も多いですし、元気になってくだされば。」
松本「ああ気持ちよかったと言って帰られる方もいらっしゃるし。」
藤田「Shopにお買い物だけじゃなくて、話を聴いてもらいに行くみたいな。お買い物しながら…」
松本「話をする。」
藤田「打ち明け話とか。」
― なんかセラピスト入ってません?

藤田「そうそう、ほんとにでもそんな感じで。」
松本「また疲れたら来るわ〜、とか。」
蔭山「それでまた来たい気持ちになられるんでしょうね。」
松本「だいたい、友だち連れて来た〜って言ってくださるので、また新しいつながりが出来て。」
蔭山「イベントに行った時も同じような感じで、やっぱり“tamaki マジック”ですかね?(笑)。イベントで知って西脇に行くわ、とこちらの常連になられた方もいらっしゃいますし。」
田中「百貨店で知ってくださってお店に来てくださる方はとても多いです。」
― なるほど、そうですか。ありがとうございます。あ、それとあと、皆さんに「タマスク」について、販売する立場でぜひお聞きしたかったんですよ。

藤田「プレゼントに買って贈ったらすごい気に入ってもらえた、とか。自分用に買ったのに娘に気に入られて取られちゃったとか(笑)。リピーターさんが多いですね。マスクを買い求めに何回も来られる方が多いです。友だち用と自分用にとまとめ買いしていただいたり。」
松本「「タマスク」でここを知って、あ、ウェアもあるんやと。ベーシックなモノから入っていって、だんだんとお馴染みになっていただいてる新しいお客様は、コロナ以降増えてると思いますね。」
― 「タマスク」が tamaki niimeの作品世界に触れていただくきっかけ、入り口になっていると。

蔭山「マスクがコーディネートの一部になっているので、何枚も購入されていたり。」
松本「こうゆうお洋服着たらマスクは何色にしたらいい?とか。」
藤田「この服に合うかな?、とか。」
― 「タマスク」に合わせてコーディネート、というのもあるでしょうね。

蔭山「ショールも合わせて、マスクにショールにウェアという風に、全身コーディネートする方も。」
― はい。皆さんお疲れのところ、愉しいお話をたっぷりと、どうもありがとうございました。それでは最後に、まとめ的に今後の抱負を。

藤田「まだまだtamaki niimeをご存知ない方は山ほどいらっしゃると思うので、付け心地・着心地を皆さんに知ってもらえると嬉しいですし、知っていただけるように。そうなります!」
チーム間の壁をなくし、スタッフ同士が交わってゆくtamaki niimeの一体で自在なモノづくりの方向性とそれを愉しむブランドの精神は、Shopにおいても同様に発揮され、お客様との心の垣根をなくしてゆく開放的で心地よい空気を日々生み出していることがとてもよく伝わってくる、そんな愉しさに満ちた今回の取材だった。

Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.